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アニメーターという仕事について

ちょっと手持ちを全部送って時間が出来たのでちょっとした雑談を。

何年か前でしたか。ある友人から呆れたような口調でこう言われたことがあります。

『どうして、アニメーターなんかやってんの』

友人曰く、アニメーターは賃金も安いし、夜も寝ないで仕事をすることも多いし、何より、休みが無いじゃないか、それに保険や年金だって無いし、と。

確かにそうなんですけれど、一つだけ言えば、スケジュールさえ守れれば、夜は寝れるし、休みも取れます。
ただ、賃金が安い、というのには少々同意をせざるを得ませんでした。
当時わたしは動画マンで、一時間150円前後という時給換算での生活でしたから。
無論、時給換算することがそもそも不毛とも言いますが。
保険に関しては当時親の扶養に入り(現在は夫の扶養ですが)、年金は収入による控除を受けたりしていました(まあその年金ですら、控除申請が通ってなかったようで揉めたりしたんですが)

わたしの回答は一言、こうでした。

『出来上がった映像見るとね、”やり遂げた!”って、達成感があるのがいいんだよ。ほんの一瞬でもその映像は沢山の人の目に映るって、すごいと思わない? それに作るって楽しいよ?』

と。
その達成感の為に出来うる限りより好いものを作りたいと思っているのは、ある種ボランティアの精神に近いかもしれないとも、友達に言いました。

無論これはわたしの持論でありますからして、他のアニメーターはどうかはわかりません。
ただ、話題を振った友人は『ふうん、そういうものなの?』と些か理解できないといった風に首を傾げましたが。

昨今アニメ業界にも不況の波が押し寄せておりまして、作品数も減り(約10年後の2022年地点で無茶苦茶増えてます。見直したらおかしいなと思いつつあえて追記するだけで記事は修正しませんが)、素晴らしい技術をお持ちの方々が漫画やゲーム業界等に鞍替えしたりと人材の流出も激しく、悲しい限りだったりします。
現在『日本の文化』ともてはやされてるアニメではありますが、人海戦術で制作されているものの、基本的に工芸などと同じで技術者が仕事を分担しているに過ぎません。
そう考えると、古くから伝わる技術を失わないために国が補助をしている工芸技術と同じように、アニメもある程度は補助してほしいなあと思うわけです。


なんかつらつら書いてみましたけど。

わたしはアニメを作るということが楽しくて、この楽しさのためにアニメーターをしています。
職業としてアニメーターを選択していますが、どちらかというとはっきり言って趣味の領域でしょう。
無論仕事としてきちんとある種の割り切りはありますが。
半ば趣味だからといって基本的に手を抜いたりなんかはしません。いつだって出来る限りの全力です。
技術が伴ってないと怒られてへこむこともありますが、それでも食いついていくのは、

『アニメを作って行きたい、この楽しみを失いたくない』

の一言(?)に尽きます。
by alfate | 2010-04-05 01:16 | 雑談 | Comments(0)
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